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法話
houwa
おもに18日観音様の法話を掲載しています。
孤食と人の声
(令和3年11月18日)
今日は、11月18日
「観音様の日」であります。
先日、ラジオを聞いていましたら、名古屋大学の川合伸幸先生が「孤食と人の声」について話されていました。
孤食とは、ひとりで食事をとること。いま現在では、少人数の世帯が増えてきまして、ひとりで食事を取ることが増えています。
ところが、ひとりで食事をとるとき、他人の声が聞こえてくるだけで、食事がおいしく感じ、食べる量も増えることがわかってきたと。
例えば、テレビの声、ラジオを聞きながら食べるとおいしく感じる、人の声は、食事をおいしくする調味料の役割をはたすことがわかったと。
人類の歴史をひもといてみますと、人類は長い間、誰かと一緒に食事をしてきました。ひとりで食べることがほとんどなかった。
火を使い始めて100万年。1950年代後半、戦後、日本に普及した3種類の耐久消費財「三種の神器」といわれましたテレビ、冷蔵庫、洗濯機により、人々の生活は激的に便利になりました。
その中で、冷蔵庫は私たちの生活を変えてきました。
私たちの身体を健康に保つ。そのためには栄養を取ること、すなわち食事をしなければなりません。調理をしてすぐに食べなければならないものも、冷蔵庫の登場で消費期限が延ばせるようになりました。
また電気ガス水道が発達し、三種の神器が家庭に浸透すると、みんなが別々に食事をすることが容易になってきた。さらに拍車をかけるものとして、電子レンジが登場してきました。
歌手のさだまさしさんが、歌う合間に、次のような、お話をしています。
お父さんが、仕事から自宅に帰ってくる。
お母さんは外出中。
お父さんに対して書き置きがありました。
お父さんへ
「遅くなるからチンして食べといてね」
一回カレーを作ると、4日ぐらいは、チンして食べさせられているのかなぁと。
おとといもチン、昨日もチン、今日もチン、明日もあさってもチン。
毎日チンして食べるんだったら、ハウス食品と結婚してるのと一緒だと。
まぁ、それはさておき、電子レンジにより、ひとりで食事を取ることが加速度的に広まったことは間違いないと思われます。
食事の取り方も変わってきました。
家族の構成も、大家族から核家族、単身世帯と移り変わってきました。
例えば、皆さんがよく知っている「サザエさん」は日常の家族での生活を的確に表現しています。漫画の世界で大家族をテーマにして描き、三世代が円卓を囲みながら食事をとる風景が見られます。人の声を聞きながら楽しそうな食事。
時代が進み、次に登場したのが、四角い机を囲みながら三世代が食事をするちびまるこちゃん。この漫画も人の声を聞きながら楽しそうな食事をする場面が多くあります。
さらに時代が進み、机と椅子で二世代が食事をするクレヨンしんちゃん。
この漫画も、楽しそうに食事をする場面が多くあります。
丸いちゃぶ台から四角い食卓、そしてイスを中心にした生活へと。
個人個人の意見があるとは思いますが、、サザエさんやちびまる子ちゃん、クレヨンしんちゃんなどのアニメには、自分たちが思うような生活、理想的な家庭だと思う方はそれほど多いとは思えません。
でも、それを見て、ほのぼのとしていいなぁ〜幸せだなぁ〜と思ってしまうんですね〜。これが、重要なのではないかと思います。
そして、孤食と言われる、机と椅子でひとりで食事をする、そんな時代が訪れた。
これをテーマとした漫画が浸透することは、なかなかむずかしいといえるでしょう。
なぜなら、いいなぁ、幸せだなぁと見いだせるものが非常に少ないからだと思われます。
一人で食事を行う、特に高齢者の孤食傾向は年々増加しているといわれており、2018年に農林水産省が実施した調査によれば、週の4〜5日は一人で食べると回答した人は15%に上り、中でも70歳以上の女性は29%だったという。
一人で食べる食事が、味気ない、食欲が出ないことの一つの回答として、人の声を聞くことによって美味しく感じ、食事をする量が増えることが示されました。
この18日の観音様の縁日は、「孤食と人の声」の回答として最も身近な答えになるのではないかと思います。
今日ここにいらっしゃる方は、遠いところから今日お寺にこられ、法話を聞いて、御祈祷をうけ、皆さんでお茶を飲み、食事をされる。
元気になって、帰ってもらい、また来月楽しみに来ていただければと思う次第であります。
(令和3年11月18日 心月齋 観音堂にて)
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