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法話houwa


おもに18日観音様の法話を掲載しています。

永平寺の修行(令和4年6月18日)





今日は6月18日、観音様の日であります。

日本の歴史書、「日本書紀」には、西暦671年の6月10日に日本で初めて水時計が使われたと、書かれています。

今から1350年も前のことであります。



人類が時間というものに気づくということはどのようなことだったのでしょうか?




太陽の移動に、月の満ち欠け。闇の中から太陽が昇り、日が沈むと夜になる。日中、棒を立てておくと影が右回りに動いてゆく。みえないものが見えるように表現することができた。これが日時計の始まりです。


日時計にすることによって時が見えるようになる。時間という概念がうまれ、人類が時間というものにきがついた。


日時計は、夜や天気が悪いと使えない、そして家の中では使えないものでありました。



次第に水時計や、炎の方の火時計、ろうそくや線香、お香の時計。お香の時計は、今現在でも、永平寺の承陽殿に行けば見ることが出来ます。


大航海時代に活躍した砂時計に、おもりや振り子、ゼンマイや機械式時計など発明されてきました。産業革命によって、工場に働きに行かなければならないなどで目覚まし時計などが発明された。


そして、百年ちょっと前の大正9年6月10日に、日本で「時の記念日」が制定されました。

大正時代の中期。当時の時代背景には、衣食住をはじめ、社会生活の近代化が推進されるなかで、とくに時間厳守、時間割による行動の規律、時間を節約することによる効率の向上が、近代生活の基本として位置づけらるようになりました。


水時計の時代には、時刻を知らせるために鐘や太鼓を打ち鳴らして時刻を知らせていました。


近代になってからは、寺院の梵鐘や空砲による、朝や正午などの合図、ハンドベルに電子ベル、手回しサイレンやモーターサイレンなどが用いて時刻を知らせてきました。



1954年には、石本邦雄さんによって学校でのチャイム、ミュージックチャイムが開発され、「ウェストミンスターの鐘」が各学校に導入されました。皆さんも聞いたことがあると思います。


音の高さや長さは、各学校によって違いがあると思いますが、私も小中高とこのチャイムでありました。現在私の子供達が通う学校も、「ウェストミンスターの鐘」が、変わらずに使われているそうです。


現代では、各個人で時間がわかる時計や携帯電話を持っており、いま時が何時なのか、一目見るだけでわかります。日本の電車の発車時間は、世界でまれに見るほどの正確さで、到着、発着がきっちりと守られています。


今でも、日本各地で現在の時刻をいろいろな音色で時刻を知らせています。
永平寺では、今現在でも鐘や太鼓、木板などで各行事の始まる時間を知らせます。


毎朝、担当の係の者が、振鈴という道具を使い、修行僧を起こしにまわります。

みなさんに分かり易く説明しますと、くじ引きで大当たりが出ると鳴らす鐘、または、現在のハンドベルだと思っていただければいいと思います。


その振鈴で各部屋をまわり、通路を駆け抜け、修行僧を起こしてまわります。お越しおわった後の合図があると、木板が鳴り、坐禅堂にみんなが集まると、坐禅開始の鐘が鳴るというように・・・。


修行僧は、起床してから一切の会話もせず、ただ鳴らしものに従って、ひとつひとつの行持に身も心も任せて行くだけなのです。


永平寺の修行生活はすべて、鐘や太鼓などの鳴らし物によってすすめられてゆきます。 つき方、ならし方を覚えなければなりません。これさえわかっていれば、いま何の行事が行われているのか分かるのであります。



お寺と時間の代表例として皆さんが一番知っているものの中に、「除夜の鐘」があります。年末から、新年にかけて鐘をつくお寺の行事であります。

皆さんは、去年の年末に何を思い、新年、今年一年をどのような年にしたいと思ったのでしょうか。


「光陰矢の如し」というように、月日は、あっというまに過ぎさっていくものであります。すでに今年も、半分が過ぎようとしています。



あと半年のとしつきを、充実した日になるように過ごしていただければと思う次第であります。




(2022/06/18 心月齋 観音堂にて)







花の寺 心月齋

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